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2020-07-04 (Sat) 07:05

未出の過去問(その7)午前H27-17-イ ※同趣旨の問題 H8-7-ア,H19-19-エ,S59-13-4,S57-4-1

本日の「未出の過去問」です。

「未出の過去問」
未出の過去問とは、過去問出題後において、条文・判例等の変更により、過去問の正誤が変更されたにもかかわらず、その後、本試験で出題されていないものをいう。
(主に、過去問の買い替えをケチってるエコな方にオススメの記事である。)


今日の「未出の過去問」は、実務上でも、とても重要です。

個人的には、賃貸借契約書の作成を依頼された場合に、連帯保証人の特約事項として、極度額の定めとあわせて、気を付けている部分です。

まずは、問題を解いてみましょう。


【未出の過去問】(午前H27-17-イ
教授: それでは,連帯保証がされた場合について考えてみましょう。債権者は,連帯保証人に対して履行の請求をしましたが,主たる債務者には履行の請求をしていませんでした。連帯保証人に対してした履行の請求の効果は,主たる債務者にも及びますか。

学生: 連帯保証人に対してした履行の請求の効果は,主たる債務者には及びません。



………(考え中)………



では、正誤です。


【正誤】〇 (458条,441条本文)
連帯保証人に対してした履行の請求の効果は,主たる債務者には及ばない。


今回の改正で、連帯保証人への履行の請求は、主たる債務者には効力が生じないことになりました。

つまり、相対効になったということですね。

過去問で出題された当時は絶対効だったので、正誤が完全に変わります。

これぞ、「未出の過去問」(笑)

上で書いた通り、賃貸借契約書を作成する場合にも、気を付ける必要があります。

つまり、441条ただし書にある通り「債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。」ので(連帯保証の条文に準用)、特約として、改正前と同じように絶対効にしておくかを、依頼者に確認しておいた方がいいです。

このあたりは、TACブログでも書いているので、こちらもお読みいただけたらと思います。


また、連帯保証が出題される場合には、連帯債務の問題と絡められることが多いです。

今年の本試験で、連帯保証が出るかの予想は、こちらの2つの記事をあわせて読んでいただけらと思います。



【根拠条文・判例等】(458条,441条)

(相対的効力の原則)
第441条 第438条、第439条第1項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。

(連帯保証人について生じた事由の効力)
第458条 第438条、第439条第1項、第440条及び第441条の規定は、主たる債務者と連帯して債務を負担する保証人について生じた事由について準用する。


【同趣旨の出題】

最後に、同趣旨の問題を集めておきました。確認しておきましょう。

履行の請求の結果、時効完成の猶予の効力(147条1項1号)が生じますか?という出題が多いですね。

「保証人に裁判上の請求をした場合には,主たる債務者の消滅時効の完成猶予の効力が生じる。」この記述は,連帯保証に当てはまる。(H8-7-ア)

債権者が連帯保証人に対して債務の履行を適法に裁判上請求した場合には,主債務者との関係でも消滅時効の完成猶予の効力を生ずる。(H19-19-エ)

甲の乙に対する金銭債務について,丙が甲から委託を受けて連帯保証をした場合に関して,乙の丙に対する請求による時効の完成猶予の効力は,甲には及ばない。(S59-13-4)

連帯保証人に対する履行の請求は,主たる債務者に効力を及ぼさない。(S57-4-1


では、また次の「未出の過去問」でお会いしましょう!


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最終更新日 : 2020-07-04