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2020-08-06 (Thu) 11:01

未出の過去問(その15)午前H17-18-エ ※同趣旨の出題 H10-6-ウ、S57-1-ア

本日の「未出の過去問」です。

「未出の過去問」
未出の過去問とは、過去問出題後において、条文・判例等の変更により、過去問の正誤が変更されたにもかかわらず、その後、本試験で出題されていないものをいう。
(主に、過去問の買い替えをケチってるエコな方にオススメの記事である。)



今日の「未出の過去問」です。

そろそろ、弁済に入ってみましょうか。

弁済も、ちょこちょこ「未出の過去問」が見つかります。

では、本日の「未出の過去問」です。

軽めのジャブ的に、こんな問題はいかがでしょうか。


【未出の過去問】(H17-18-エ)
(事例)
「Aは,Bから,弁済期を1年後として5,000万円の融資を受け,Cがその保証人となった。さらに,Dは,Aの債務を担保するために自己の所有する不動産に抵当権を設定した。Aの友人であると称するEがBを訪ね,Aに代わって5,000万円を弁済したい旨を申し出た。」

教授: 第三者によって弁済がされた場合には,第三者の求償権を確保するために第三者が債権者に代位する制度が認められていますが,この弁済による代位が認められるには,第三者が弁済して債務者に対する求償権を取得したことのほかに,どのような要件を満たす必要がありますか。
学生: 弁済をすることについて,正当な利益を有するか,又は債権者の同意があることが必要となります。したがって,Cは,弁済によって当然に債権者であるBに代位しますが,Aの友人であると称するEは,正当な利益を有するとはいえませんから,Bの承諾がなければ代位することはできません。



………(考え中)………



では、正誤です。


【正誤】× (499条)
Aの友人であると称するEは、Bの承諾がなくても代位できる。



さて、条文が変更された部分です。まず、旧499条を確認してみましょう。

ついでに、旧500条も並べてみます。

【変更された条文】(旧499条・旧500条)
(任意代位)
旧第499条 債務者のために弁済をした者は、その弁済と同時に債権者の承諾を得て、債権者に代位することができる。
2 第467条の規定は、前項の場合について準用する。

(法定代位)
旧第500条 弁済をするについて正当な利益を有する者は、弁済によって当然に債権者に代位する。


改正前は、こんな感じですね。

①弁済をするについて正当な利益を有する者は、弁済によって当然に債権者に代位する(法定代位)

②弁済をするについて正当な利益を有しない者は、その弁済と同時に債権者の承諾を得て、債権者に代位する(任意代位)


これが、改正され、このように変わっています。


【根拠条文・判例等】(499条・500条)

(弁済による代位の要件)
第499条 債務者のために弁済をした者は、債権者に代位する。

第500条 第467条の規定は、前条の場合(弁済をするについて正当な利益を有する者が債権者に代位する場合を除く。)について準用する


499条1項の正当な利益を有しない者が弁済により代位する場合の「債権者の承諾」を削除しています。

せっかく弁済してもらったのに、代位の部分だけをキョヒるのはおかしいからです。

よって、お友達も弁済すれば、当然に債権者に代位できるので、承諾は不要ですから、この問題は「×」になります。

なお、任意代位の場合でも、債権譲渡と同じ対抗要件を備える部分は変わってないのでご注意を!

お友達の弁済によって当然に代位されるのがいやであれば、474条の問題になるので、心配することもないわけですね。

474条の改正も、「未出の過去問」がありますので、次回、ご紹介していきたいと思います。

では、最後に、同趣旨の出題です。


【同趣旨の出題】

A欄に掲げる行為につき,B欄に掲げる者の承諾が必要となる。(H10-6-ウ)
A欄 弁済をするにつき正当な利益を有しない第三者が弁済による代位をすること
B欄 債権者

債権者甲に対して,債務者乙のために第三者丙が弁済をする場合に関して,丙は,弁済をするについて正当な利益を有しないときは,弁済と同時に甲の同意を得なければ,甲に代位しない。(S57-1-ア)


では、また次の「未出の過去問」でお会いしましょう!

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最終更新日 : 2020-08-16