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2020-09-11 (Fri) 09:34

未出の過去問(その20)午前H13-16-イ ※同趣旨の出題 S60-2-オ

本日の「未出の過去問」です。

「未出の過去問」
未出の過去問とは、過去問出題後において、条文・判例等の変更により、過去問の正誤が変更されたにもかかわらず、その後、本試験で出題されていないものをいう。
(主に、過去問の買い替えをケチってるエコな方にオススメの記事である。)



今日の「未出の過去問」です。

そろそろ、売主の担保責任も確認してみましょう。

売主の担保責任の出題可能性については、こちらをご覧ください。



昨年までは、売主の担保責任として、全部他人物だとか、一部他人物だとか、一部足りないとか、用益権がついているとか、抵当権がついてるとか、キズがあるだとか、買主が善意だとか、悪意だとか、とにかく、メンドクサイ感じのところでした。

ここが、かなりスッキリした感じです(笑)

今回の「未出の過去問」は、この「未出の過去問」とつなげて整理しておいた方がいいでしょう。




では、さっそく、「未出の過去問」を確認してみましょう。


【未出の過去問】(H13-16-イ)
売買の目的である土地の一部に他人が所有する土地が含まれていたことにより,買主が当該他人の土地を取得することができなかった場合においては,買主は,売買契約当時,当該土地の一部が他人の土地であることを知っていたときでも,売買契約を解除することができる。



………(考え中)………



では、正誤です。


【正誤】〇 (564条・542条1項3号)
買主は、善意、悪意問わず、解除できる


さて、今回は、改正の影響を受けた条文を確認しておきましょう。

改正前は、契約が解除できるのは、善意の買主に限定されていました。

消えた条文の確認です。

【消えた条文】(旧563条1項・2項)
(権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任)
旧第563条 売買の目的である権利の一部が他人に属することにより、売主がこれを買主に移転することができないときは、買主は、その不足する部分の割合に応じて代金の減額を請求することができる。
2 前項の場合において、残存する部分のみであれば買主がこれを買い受けなかったときは、善意の買主は、契約の解除をすることができる


うん、懐かしいですね(笑)

昔は、解除するには、買主の善意が前提だったので「×」だったわけです。

ところが、この買主善意の限定がなくなりました。

なので、「〇」に解答が変更。

こちらが改正後の条文。


【根拠条文・判例等】(564条・542条1項3号)
(買主の損害賠償請求及び解除権の行使)
第564条 前二条の規定は、第415条の規定による損害賠償の請求並びに第541条及び第542条の規定による解除権の行使を妨げない。


(催告によらない解除)
第542条 次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
一 債務の全部の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。
(以下、省略)


ちなみに、562条は「買主の追完請求権」の規定、563条は 「買主の代金減額請求権」の規定です。

いずれも重要な条文です。

 「買主の代金減額請求権」が、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がない場合にできることに注意をしながら、確認しておきましょう。


では、最後に、同趣旨の出題です。

こちらは、用益権がついている場面。

買主の善意の要件がなくなりました。


【同趣旨の出題

売買契約締結当時,すでに売主が家屋を第三者に賃貸して引き渡していた場合において,買主がその事実を知らず,かつ,それによって契約を締結した目的を達成することができないときは,買主は,売買契約を解除することができる。(S60-2-オ)


売主の担保責任は、ガラッと雰囲気が変わった部分なので、しっかりと確認しておきましょう。

では、また次の「未出の過去問」でお会いしましょう!


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最終更新日 : 2020-09-11