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2020-05-21 (Thu) 10:27

(新企画)ここやってる?~令和2年度出題予想(2)~(民法)物権

こんにちは。新企画!令和2年度の本試験出題予想論点です。

今日は、「民法の総則」の続き、「民法の物権」の範囲を予想してみましょう!

一応、ペースメーカー的に利用してもらいたいので、5~6日ごとに、次の出題予想の記事をアップしていこうと思います。あれ?そんなペースで終わるのかな?まぁ、細かいことは考えるのはやめておきましょう…(笑)

【過去の記事のリンク・これからの出走予定記事】


【平成28年度出題からのサイクル予想】
前回の記事にも書いた通り、司法書士試験は、4年サイクルを意識するところから予想が始まります。過去問を見ても4年サイクルを意識するとメリハリがついてくることが分かります。

では、平成28年の物権の範囲の出題を確認してみましょう!

(平成28年度の出題 民法物権)
不動産の物権変動・即時取得・動産の占有権・地上権

さて、ここから令和2年度の出題予想を始めましょう。

ここでの本命馬…あっ、違った…本命の出題予想は、「不動産の物権変動」と「地上権」でしょうか。

まず、不動産の物権変動は、「〇〇と登記シリーズ」で出てくるパターン(取消しと登記、解除と登記、取得時効と登記、相続と登記等)と、不動産の物権変動全般問題で出るパターンが主流です。

どちらのパターンで出てくるのかが気になります。

ここの予想が意外と難しい(笑)

実は、平成28年は、第7問目で物権変動の全般問題、第22問目で「相続と登記」が出題されています。

つまり、相続法からの出題とは言え、「〇〇と登記シリーズ」も同じ年に出題されちゃっているわけで、両方のパターンの出題がありえます。

物権変動全般問題の傾向を見てみると、「H17→ H 20→ H 24→ H 28→ H 29」という流れ。

「〇〇と登記シリーズ」だと、解除・取消しが「H22・23」、時効が「H12→ H 18→ H 26」、相続が「H13→ H 25→ H 28」で、やはり、どこが出てもおかしくない状態です。

不動産の取得時効の論点は、不動産登記法の記述試験でも、H17の出題からご無沙汰です。受験生としては、H17の記述で出た、占有者が死ぬパターンと逆パターンで死ぬのを待っている状態でもあるので(受講生さんは伝わりますよね?)、手は抜けないところです。

また、H17の記述の問題は、問題文の中で「相続分の譲渡」をしています。相続分の譲渡の申請書は書かされたことがないので、こちらも受験生さんは準備しているはずです。また、不動産登記法の予想記事のところで書きますが、相続分の譲渡のところで、紛らわしい未出の先例(平30.3.16民二136号)も出ているので、このあたりはシッカリした準備が必要です。

過去問のアレンジが中心になっている不動産登記法の記述の問題ですから、H17はしっかり解いて、アレンジに備えておきましょう。あれ?不動産登記法の話になっちゃってる…(笑)

話を戻します。

民法の不動産の物権変動の問題は、ここは最近の流れでは全般問題が多いので、全般問題が本命◎、時効と登記が対抗〇という予想でいこうと思います。

あと、下の方で書きますが、このあたりには、もう少し踏み込んで、整理しておきたい、気になる判例もあるので、この記事の下の方で確認して下さい。

地上権は、単発での出題がそろそろですね。一応、H29は「地上権又は地役権」というカタチで出ていますが、単発ではH28ということで、素直に”買い”です(笑)

地役権は、「H27→H29(地上権又は地役権)→H30」なので、前走が近すぎるので、危ない買えない馬券と考えます。

ということで、「地上権又は地役権」の馬連ではなく、ここは地上権の鉄板と判断。地上権の単勝、あるいは、「地上権→地役権」の馬単で狙ってみます!(笑)

地上権の場合は、不動産登記法で出てこない民法の条文もあるので、民法プロパーの知識の見落としがないように準備をしておいて下さい。

例えば、工作物等の収去の条文ですが、やはりH28で出ています。不動産登記法の地上権の勉強では補えない部分なのでしっかりと!


【その他の気になる出題サイクル予想】
物権の出題には、サイクルを無視して、いつも居座っている偉そうな論点があります(笑)

「占有」と「共有」です。やはり毎年出てもいい論点です。

ここでは「共有」から気になる判例をピックアップ。ただ、出るなら相続法かもしれません。

最判平8.12.17です。ちょっと判旨をご紹介。

 共同相続人の一人が相続開始前から被相続人の許諾を得て遺産である建物において被相続人と同居してきたときは、特段の事情のない限り、被相続人と右の相続人との間において、右建物について、相続開始時を始期とし、遺産分割時を終期とする使用貸借契約が成立していたものと推認される。

この判例の理論によって、例えば、亡くなったご主人さんの配偶者は遺産分割が終わるまで、短期的に居住権が保護されていたわけです。

ところが、この判例は、当事者の意思の解釈がベースになるので、亡くなったご主人さんが反対の意思表示をしていたら居住権が保護されないわけですよ。

という問題を解決するために登場したのが、ご存知「配偶者短期居住権」の規定です。

「短期」居住権は登記に絡まないので、出るなら民法。そして、短期居住権が生まれた背景には、この判例の問題点を解決する必要性があったわけです。

過去問としては、この判例は「H17-24-オ」で出題されていて、やはり相続法での出題ですが、「共有」の範囲でも紹介される判例なので、ここでピックアップしておきます。

さらに、最近の流行の論点もあるので、こちらも確認しておきましょうか。

最近の流行は、「物権的請求権」でしょう。「H18→ H24→H26→H29→H30」と出題が続いています。H18は、対話問題と推論問題と、やりたい放題です。

いわゆる「上がり馬(あがりうま)」と呼ばるお馬さんです。

「夏の上がり馬」ならぬ、「最近の上がり馬」で押さえておく必要があると思います。

ところで…ここで困った状態になったことに気づきましたか?

出題予想を並べてみると…

「物権変動全般」
「地上権」
「占有」
「共有」
「物権的請求権」

って…何点買いやねん!1頭多いかな~、微妙(笑)

1点減らしたいのですが、ここでカンベンです。

個人的に気になるものがもう一つあります。(まだ、あるんかいっ!笑)

動産の物権変動・動産譲渡の特例法です。

「H23→H27」と4年サイクルで来ていたのですが、昨年は出ず。

ちょっと不気味なお馬さんです。いや…馬じゃないって!!(笑)

さて、僕の中上級講座の受講生さんは、×が3つあると思います。

最初の×は、記述の対策が必要です。2つめの×は、出ないというか、出過ぎで×です。

ただ、昨年の予想の中では、肢レベルとは言え、唯一ハズした論点でもあるので、×をつけるのもビビり気味につけています。

強烈な出題サイクルですよね。でも、今年こそは買えない馬だと思います。馬群に沈む危険な馬です。出ても、H31と同じように肢レベルかと…。なので、準備をするにしても省エネでやって下さい。

あと、個人的に勝負師のカンで楽しみなのが明認方法。「H4→ H 12→ H 21」のサイクルで、気合十分!といったところ。

ただ、「H 3 1-8 -ア」で軸が出てしまったので、判断を狂わせてしまいます(笑)

僕の中では、消しの人気馬ですが、どうでしょう(笑)

明認方法も準備するぞ!という方は、「植栽事例(最判昭35.3.1)」が直近のH21で出題されていないので、まるごと1問で明認方法が出走するなら、今回は設問の1つとして入ってくることが予想されます。

僕の受講生さんは、出て来たらどうするか分かりますよね?(笑)

果敢に勝負に挑む!!!

いや、違いますから…(汗)


【改正の影響・今後の改正からの出題予想】
では、今回も改正に対応できてる?チェックです。チェックボックスにチェックしながら漏れがないか、確認しておいて下さい。

確認しておきたい主な改正チェックポイント
(民法の物権の範囲)
□遺産分割と登記(相続法絡みの899条の2Ⅰの改正)
□遺言と登記(同上)
□地役権の時効取得(284条ⅡⅢ)・消滅時効(291・292)(形式的な改正)

さすがに少ないですね~(笑)

物権の範囲のところで、またまた相続法の話になって申し訳ないですが、

「遺言と登記」は、考え方が変わった部分でもあるので、上の3つの中では頭1つ飛びぬけて注意が必要です。


【確認しておきたい未出判例・新判例・先例等からの出題予想】
未出の知識は択一解法の軸にしてはいけません。あくまで保険です。取り扱い注意です!

未出の判例としては、注目したい判例が4つ。

物権的請求権からは、過去問で4回ほど出ている頻出の判例(最判平6.2.8)の応用バージョンにあたる判例があります。中上級の方は理論編のテキストの民法Ⅰp117の補足解説の判例。ただし、印としては、「◎〇▲△☆注」のうち、「注」ですね。

不動産の物権変動からは、おススメのお馬さんを2頭ご紹介(笑)

取得時効と登記で2回出ている判例(最判平24.3.16)とセットになる判例(最判平15.10.31)が未出で残っています。ライバル馬がよく出ているので、そろそろ◎を打ちたい馬です。

もう1頭は、グリグリの◎を打ちたいお馬さんです。

2回ほど出ている通行地役権の承役地の譲受人の177条に関連する判例(最判平10.2.13)があります。その続きとなる判例が未出で残っています。あっ、「続き」といっても、最判平10.12.18の判例ではないですよ。こちらは「H23-12-ウ」で出題済みです。

2回も出題されている続きの判例になってるので、このパターンは要注意です。しかも、直近の出題が「H28-7-ウ」と、4年前。まさに、4年サイクル!この続きの判例が出題されるのは、時間の問題でしょう。中上級の受講生さんは、理論編のテキスト民法Ⅰのp131補足解説の判例です。今回は勝ち負けです(←これも競馬の用語です。笑)

最後は共有の範囲から。

これまた過去問で4回ほど出ている判例(最判昭50.11.7)の応用バージョンの判例になります。理論編のテキスト民法Ⅰp194の補足解説も確認しておいて下さい。ちょっと馬体重が重い感じがします。こちらは、「注」で。

占有のところでは、未出の判例として、間接占有者から直接占有者に変更された場合の判例(大判大11.10.25)が残ってます。答練ではよく見かけるのですが…って感じですね。僕は買いません。


【馬券師まらやのまとめ】
完全に競馬テイストが強くなってきました(笑)

このまま行くと、6月には普通に宝塚記念の予想が書かれていそうな勢いですね。

ボチボチ楽しんで下さい。

物権の問題も前回の総則と同様、取りこぼしは許されないところだと思います。

改正の影響も少なく、未出の判例も準備すべきものがハッキリしています。

過去問の知識でシッカリ解けるはずなので、択一の解法として、軸をしっかり決めながら解いて下さい。

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最終更新日 : 2020-05-22