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2021-05-22 (Sat) 08:40

令和3年度本試験 カウントダウン!ごった煮記事(その8)

民事訴訟法から、「最判令2年9月11日」です。

ちなみに、翌日の9月12日は、僕の誕生日です(笑)

関係ないですね…。

内容的には、「重複する訴えの提起の禁止」のゾーンになります。

出題サイクル的には、真正面からは、H12のみになりますが、H23,H24、H30にも肢レベルで出ているので、

未出の判例がたまってきているこのタイミングで、

準備をしておいた方がいいと思います。

では、「裁判要旨」のご紹介。


最判令2.9.11
 請負契約に基づく請負代金債権と同契約の目的物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権の一方を本訴請求債権とし,他方を反訴請求債権とする本訴及び反訴が係属中に,本訴原告が,反訴において,上記本訴請求債権を自働債権とし,上記反訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁を主張することは許される。

全文


キーワードを、目立つようにしてしまいました(笑)

これだけで、「許される」って感じですね(笑)

簡単に、事案を確認しておきましょう。


事案の説明(ざっくり)

❶「家の増築工事の請負代金(約829万円)を払え!」って業者の人が訴えを起こしていました(本訴)。

❷ところが、「その増築工事には瑕疵があるやん!」って、注文者は業者の人に、反訴で損害賠償請求(約266万円)をして、併合審理されていました。

❸ここで、業者さんの方が、相殺を言い出しました。そこで、この相殺が認められるかが問題となりました。だって、同時履行の関係にあるでしょ?

❹結論的には、「相殺する方が、1発で清算できるし、当事者にとって公平なのでOK!」というコト。


すごく、納得のいく結論ですが、注文者にとっては、瑕疵修補に代わる損害賠償のお金(約266万円)が、実際に手に入らないコトは、かなりイタイのかもしれません。

ということで、最新判例のお話でした。

重複する訴えの提起の禁止」としては、こちらの判例が出たことによって、

これとセットとなる「最判平18年4月14日」の方が、出題可能性が高まったかもしれません(笑)


最判判18.4.14
 本訴及び反訴が係属中に,反訴原告が,反訴請求債権を自働債権とし,本訴請求債権を受働債権として相殺の抗弁を主張することは,異なる意思表示をしない限り,反訴を,反訴請求債権につき本訴において相殺の自働債権として既判力ある判断が示された場合にはその部分を反訴請求としない趣旨の予備的反訴に変更するものとして,許される。

全文


本訴を相殺で使った(最判令2年9月11日)と、

反訴を相殺で使った(最判平18年4月14日)、

どっちが先に出るか、勝負です(笑)


意外と、「最判平27年12月14日」が先に出たりして(笑)


最判判27.12.14
 本訴において訴訟物となっている債権の全部又は一部が時効により消滅したと判断されることを条件として,反訴において,当該債権のうち時効により消滅した部分を自働債権として相殺の抗弁を主張することは許される。


令和2年の判例によって、「重複する訴えの提起の禁止」が刺激されているので、今年は、要注意ですよ!


令和3年度本試験まで
残り 43



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最終更新日 : 2021-06-16