「令和3年度本試験 カウントダウン!ごった煮記事」です。
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さて、今回も、令和元年の会社法の一部改正に伴う商業登記法の一部改正からの「未出の過去問」です。
「未出の過去問」
未出の過去問とは、過去問出題後において、条文・判例等の変更により、過去問の正誤が変更されたにもかかわらず、その後、本試験で出題されていないものをいう。
(主に、過去問の買い替えをケチってるエコな方にオススメの記事である。)
では、さっそく行ってみましょう!
【未出の過去問】(H30-28-イ)
株式会社の本店を他の登記所の管轄区域内に移転した旨の本店移転の登記の申請をする場合における新所在地を管轄する登記所にする印鑑の提出は,旧所在地を管轄する登記所を経由してすることを要しない。
………(考え中)………
では、正誤です。
【正誤】? (旧商登法51条1項参照)
えっ?まさかの「?」(笑)
改正前は、旧所在地を経由して、新所在地に印鑑を提出する必要があったので、「×」でした。
じゃあ~、印鑑の提出は自由だから、「○」なんじゃないの?って感じですが…何が気に入らないのでしょうか?(笑)
まずは、条文の確認をしてみましょう。
確かに、印鑑の提出の任意化に伴い、旧51条1項後段は削除されています。

旧商登法51条(本店移転の登記)
本店を他の登記所の管轄区域内に移転した場合の新所在地における登記の申請は、旧所在地を管轄する登記所を経由してしなければならない。第20条第1項又は第2項の規定により新所在地を管轄する登記所にする印鑑の提出も、同様とする。
2 前項の登記の申請と旧所在地における登記の申請とは、同時にしなければならない。
3 第1項の登記の申請書には、第18条の書面を除き、他の書面の添付を要しない。
ところが、新商業登記規則35条の2が加わっています。
【根拠条文・判例等】(新商業登記規則35条の2)
(申請書等への押印)
申請人又はその代表者が申請書に押印する場合には、登記所に提出している印鑑を押印しなければならない。
2 委任による代理人の権限を証する書面には、前項の印鑑を押印しなければならない。
要するに、この規定があるため、
書面で申請する場合には、登記所に印鑑を提出する必要があります。
よって、
本人申請であれば書面で申請する場合、代理人による申請であれば書面の委任状を添付する場合には、印鑑の提出を同時経由することになります。
結局、本問が書面で申請することを前提とするなら、「×」で正誤が変わらず、
根拠規定が変わるだけ、ということになります。
【正誤】× (新商業登記規則35条の2)
ということで、正誤が解決したところで、最後に同趣旨の出題を見ておきましょう。
【同趣旨の出題】
株式会社の本店を他の登記所の管轄区域内に移転した場合に関して,新所在地を管轄する登記所にする印鑑の提出は,旧所在地を管轄する登記所を経由してしなければならない。(H22-30-オ)
令和3年度本試験まで
残り 31日
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最終更新日 : 2021-06-16