「令和3年度本試験 カウントダウン!ごった煮記事」です。
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今日は、「最新判例」を確認してみましょう。
民法から、「最判令元年8月27日」の判例です。
内容としては、相続開始「後」に認知された者がいる場合の話。
よく試験で出ているのは、910条の条文の内容です。
(相続の開始後に認知された者の価額の支払請求権)
第910条 相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。
相続開始「前」に認知があった場合に、その人を入れないで遺産分割しちゃったら、マズいですよね。
でも、相続開始「後」に認知された人は、仕方がないです。
今さら、遺産分割をやり直すのも…
ってコトで、
遺産分割はそのまま有効にして、認知された者に価額の支払請求を認めることで、調整を図っています。
過去問的には、H25-23-エ、H8-18-オ、H7-21-ウと出ている知識なので、
有名な知識ですね。
この論点についての最新判例なので、心躍りますね(笑)
また、民法の相続の出題サイクルとして、「遺産分割」は、
H11→H15→H23→H27で出題されているので、
今年の本命でもあります。
今年危ない最新判例の1つだと思います。
では、「裁判要旨」をご紹介しましょう。
「相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において他の共同相続人が既に当該遺産の分割をしていたときの民法910条に基づき支払われるべき価額の算定の基礎となる遺産の価額」が争われました。
最判令元.8.27
相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において,他の共同相続人が既に当該遺産の分割をしていたときは,民法910条に基づき支払われるべき価額の算定の基礎となる遺産の価額は,当該分割の対象とされた積極財産の価額である。
全文
ポイントは、認知された者が請求できる額は、「積極財産の価額」ってところ。
つまり、「積極財産の価額から、消極財産の価額を引いた額」ではないところです。
プラスの財産から、借金等のマイナスの財産を引いた分を請求するわけではないです。
なんで、「消極財産の価額」を控除する必要がないかというと、
消極財産である相続債務は,認知された者を含む各共同相続人に当然に承継されるから。
借金は可分債務だから、法律上当然に分割されて、各相続人が相続分に応じて承継しちゃっているわけですね。
それは、認知された者も同じ、ってコト。
この判例は、
「このことは,相続債務が他の共同相続人によって弁済された場合や,他の共同相続人間において相続債務の負担に関する合意がされた場合であっても,異なるものではない。」と、
判示しています。
また、同じく910条に関する判例としては、「最判平28年2月26日」もあるので、
その内容を見ておいて下さいね~。
最判平28.2.26
1 相続の開始後認知によって相続人となった者が他の共同相続人に対して民法910条に基づき価額の支払を請求する場合における遺産の価額算定の基準時は,価額の支払を請求した時である。
2 民法910条に基づく他の共同相続人の価額の支払債務は,履行の請求を受けた時に遅滞に陥る。
2 民法910条に基づく他の共同相続人の価額の支払債務は,履行の請求を受けた時に遅滞に陥る。
全文
いよいよ、本試験が近づいてきました!!
ガンバレ~!
令和3年度本試験まで
残り 17日
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最終更新日 : 2021-06-17